第2回 いきいきとした会話の授業のための教科書活用法②暗記テスト応用編
横浜デザイン学院日本語学科 主任 佐久間みのり 前回は、例文を使った会話の暗記テストを紹介しました。今回はその応用編をご紹介したいと思います。いくら会話の例文をたくさん覚えても、実生活で同じような場面に出会うことは少ないでしょう。学生が日常生活でも上手に話せるようになるには、授業で覚えた言葉を応用する力が必要だと思います。 まずは、自作のオリジナル教材や、絵教材と組み合わせるパターン。 (本冊33課...
View Article第1回 N2編 違いを理解することから、例文作りまで
城東日本語学校 教務 徳森柚子 ○はじめに 私が日本語を教えている日本語学校では、中国や韓国、ネパールなどの主にアジア圏の学生達が、進学や日本語能力試験合格などそれぞれの目標達成を目指し勉強しています。 初級レベルでは基礎文法の定着と4技能(読む・聞く・書く・話す)を身につけるため、教材は『みんなの日本語初級Ⅰ,Ⅱ』を使用し、その後中級への橋渡し教材として『短期集中 初級日本語文法総まとめ...
View Article第2回 N1編 文の文法が重要!
講師 五十嵐雪子 城東日本語学校 教務 ○はじめに 当校では、7月から12月上旬までの夏休みを除いた、実質4カ月足らずで日本語能力試験N1対策を行なっています。また、多くの学生が大学進学を目標としているので、日本留学試験の対策などと並行して日本語能力試験対策の授業を行っています。...
View Article第1回 ドリルでも自分のことを言いたい学習者-単調にならないドリルって?
今回から12回(毎月10日、25日)にわたって、東京外国語大学准教授荒川洋平先生の「荒川洋平の日本語教師ビギナーのためのワンポイントアドバイス」がスタートします。 これから日本語を教えてみようと思っている方、日本語を教え始めたけど毎日が試行錯誤で戸惑っている方などなど、日本語教育の初心者の方に、具体的な教え方のアドバイスを物語形式で提供していきます。...
View Article第2回 型を身につけたら型破りも-ワンパターンにならない導入とは
河田春恵さんは、事務機器の商社で働きながら、休日にはボランティアの日本語教師をしています。 彼女の最近の悩みは、授業が単調になっていることです。単語を教えて、文型を教えて、ドリルをして…という「形」はできたのですが、どことなく面白みがなく、学習者も乗ってくれません。 打開策を求めて、河田さんは今日、先輩ボランティアである今井さんの授業を見学に来ました…。...
View Article『みんなの日本語中級Ⅰ』を使った授業 非漢字圏の学習者編モチベーションを上げる授業づくりを考える
講師:EF International Language Centers 教諭 金田さつき...
View Article第3回 ゲームを使って楽しくいつの間にか-飽きさせずに繰り返し練習ってできるの?
-数字って、なかなか身につかないっすねえ。 相馬大輔さんは、単語クイズの採点から顔を上げると、向かいに座るパーカー先生にそう話しかけました。ここは南オーストラリア州にあるジェファーソン高校の職員室です。 -日本語だけじゃなくて、外国語の教師はみんな、数字には苦労してるよ。 何しろ、教室の外に出ればもう使わないからね。...
View Article第4回 いつだってワガコトが話したい-教科書の内容をどう自分のことに料理する?
日本語ボランティアの河田春恵さんは、まだ「単調な授業」から抜け出せることができません(第2回参照)。先日、ボランティア仲間である今井さんの授業を見学させてもらいましたが、彼のように破天荒な、しかしきちんと収まるところに収まる授業は、自分にはとうてい真似できそうにありません。 一方、授業の単調さは払拭できないままです。時間内に一通りのことは終えるのですが、 ・テープは聞くだけ ・ドリルはするだけ...
View Article『日本語能力試験模擬テスト』の活用-学内模試のメリット-
講師: 東京三立学院 副校長 及川信之 この春の『日本語能力試験模擬テスト』シリーズ第3弾の刊行は、これまでの2レベル(N1、N2の全4冊)を利用してきた当校にとって歓迎すべきことでした。当校は進学コースの学校で、どちらかといえば日本留学試験への対応授業が中心であるため、日本語能力試験受験者にはこの模試の使用が受験前の大切な力試しとなっているからです。...
View Article第5回 大きな意味と個別の意味-助詞の意味や働きをどうやって伝えればいい?
平野さんは日本語ボランティアです。今日は授業のあと、駅前のカフェでお昼を済ませながら、教案を見直しているところです。 平野さんは授業のあと、なるべく早く教案を見返しながら、学習者の反応やうまく行かなかったところ、疑問点などを赤ペンで入れる習慣があります。 目下の彼女の課題は、「助詞の教え方」でした。...
View Article第6回 聞く練習も手を変え品を変え-ディクテーションも個別化で興味津々になる?
日本語のボランティア、今井さんは今、中級クラスの教室にいます。生徒さんはインドネシア人のイルマヤニさんと、フランス人のトマさん、どちらも男性です。 今井さんは今期、初めて中級クラスを任されました。自分を誘ってくれた先輩教師が入院してしまったので、役目が回ってきたのです。嫌といえない性格で引き受けたものの、どうも授業がうまく進みません。...
View Article『みんなの日本語初級』の使い方。練習を活用してコミュニケーション能力を伸ばそう!-コミュニケーションをとろうとする姿勢作り-
講師:明海大学外国語学部 応用言語博士 西川寛之 教科書の使い方を考える時に、どこで使うのかを考えることはどの教科書でも重要なことです。今回は、数か月から1年間程度、日本語の勉強に集中して生活する人々、例えば留学生や研修生に教えるときの使い方を考えます。...
View Article第7回 役目を与えてみんな活躍―レベルが違う学習者が混在するクラスでの対応は?
日本語ボランティアの河田春恵さんは前回、学習者の似顔絵を使った授業(第4回参照)がうまく進んだので、ご機嫌です。今日はノー残業デーで早く帰れたので、気合いを入れて準備に取り組んでいました。...
View Article第8回 入試は高得点!本当の解法ストラテジーとは?
相馬大輔さんは、南オーストラリア州の高校で、日本語のアシスタント教師をしています。彼は前回作成した「かなと数字のマッチング」(第3回参照)が好評だったので、ここ数日、ご機嫌です。 良いことは続くもので、今日の昼休み、上司にあたるパーカー先生が、昨日のパーティーのレフトオーバー(=残り物)だといって、有名イタリアンのシーフード・ピザを山ほど持ってきてくれました。 ―ありがとうございます、先生!...
View Article第9回 ビジネス日本語は究極のオーダーメイド-仕事で成功するための日本語とは?
日本語ボランティアの今井さんは、今日、教室にはいません。 現役を引退したはずの彼は今、なぜかスーツ姿で会社の会議室にいます。今井さんの前には別のスーツ姿の男性が座り、何やら熱心に話し込んでいます。 今井さんは、電機メーカーに復職したのでしょうか? そうではないにせよ、最近の今井さんは、どうも「ビジネス日本語づいている」ようです。 もう少し近づいて、様子を見てみましょう。 ☆ ☆...
View Article第10回 組み合わせでイミが七変化―複数のイミをどう教える?
相馬さんは南オーストラリアの高校で、日本語のアシスタント教師をしています。今日はお昼をはさんで4連続の授業でしたが、ようやく終わったところです。 ―相馬先生、さようなら!...
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